EVENTイベント

アウトドアのウェア&ギアの
リユース、リサイクル、リペアを促すイベント

FiRE BiRD
ファイヤーバード

アウトドアで使われる高機能で耐久性が良いウェアやギアをリユース&リペア&シェア
楽しくリペアして愛着あるウェアを作ったり、使わなくなったギアを使いたい人に渡したり。大事にされていたものを更に長く使うことで少しでも地球環境に良いことをしませんか?

2022年、8月6日(土)7日(日)の二日間で行われたイベント、ファイヤーバード。このイベントは、私たちカンパネラが主催した、環境問題をテーマとしたイベントです。大量生産・大量消費の世の中を見つめ直すきっかけ作りとして、耐久性の高いアウトドア商材の特徴を活かした4つのコンテンツをご用意し、私たちの店舗である、THE GATEとTHE GATE SPORTING CLUBの2店舗にて行いました。炎天下の中、多くのお客様に足を運んでいただきました。このページでは、そのときの様子をレポートしたいと思います。

01Patagonia Worn Wear Tourアウトドアウェアのリペア

イベントのメインを飾るのは、パタゴニアの WORN WEAR。普段はツアーと称して、直営店や大学などを中心に行ってきたものですが、今回は私たちのイベントにご参加いただきました。傷ついたウェアをリペアするこの企画は、地球の環境に配慮し、消費を減らし、すでに所有している衣類をより長期間活用する必要があることを訴えています。パタゴニアによれば、衣類の寿命をわずか9か月間延ばすことにより、炭素排出、水の使用のフットプリントを20%〜30%も削減できると言います。このリペアの体験を通じて、まだ使えるものは直して使うという、本来当たり前であったはずの習慣を思い起こすことができました。ちなみに「Worn」とは、“使い古した”とか“擦り切れ た”、という意味の言葉。この WORN WEAR の凄いところは、他社のブランドのものでも、無償でリペアしてしまうところ。その名の通り、使い古したウェアが、まだまだ使えるものとして蘇ります。

6日早朝、パタゴニアリペアトラック「つぎはぎ」が到着。北側からお越しいただいたのは、前々日に福井県を襲った豪雨による影響で、東北道が遮断され、岐阜方面から福井に入ったため。遠路はるばる、神奈川県から約12時間をかけお越しくださいました。

廃油でも走ることができるリペアトラック「つぎはぎ」は、リペア作業に特化した造りとなっています。熱中症対策として、今回は車内でのリペアは行いませんでしたが、通常であれば、内部でリペア作業を行うそうです。ウッドで統一された車内は、まるで樽の中のような雰囲気でした。

衣類のリペア

今回のパタゴニアWORN WEARは、予約制で行う縫製作業と、ワッペンやギアエイドのシールをその場で貼る、シンプルリペアの内容です。

ミシンを使う縫製は、1日の作業に限度があるため予約制でしたが、初日の間に二日分の予約が埋まってしまうほど大好評の内容で、幅広い年齢層のお客様にお越しいただきました。

小さな穴の修理であれば、ワッペンによる修理も行えます。

さっそく、弊社代表平岡もダウンジャケットの修正で、オリジナルWORN WEAR ワッペンをゲット。とても満足げな様子です。パタゴニアファンにとっては、オリジナルワッペンをつけることは、むしろマニア心をくすぐる行為なのかもしれませんね。

写真下の方にチラッと見えるオレンジ色のジャケットは、パタゴニアが生んだ傑作の一つ「ゼファー」。25年近くも前に作られたアメリカ製時代のヴィンテージウェアで、マニアにはたまらない商品。WORN WEARワッペンを貼り、見事に息を吹き返しました。

ギアエイドのリペアテープを使ったシンプルリペアは、お子様にも楽しんで頂ける内容です。お好きな柄を選んで衣類にピタッと貼り付けるだけでOK。シンプルリペアは、補正だけではなく、アクセサリーとしても楽しむことができるので、お好きな箇所にいくつも貼る方もいらっしゃいました。ご家族の記念にもピッタリのアイテムですね。

今回、パタゴニアのWORN WEARを体験したことで、今までであれば捨ててしまっていた衣類でも、ミシンで縫製したりワッペンをつけることで復活させることができるんだと、改めて気付かされました。イベント中、パタゴニアのリペアを知っていれば、服を捨てずに置いておいたのに、という声を聞くことも多く、おそらくそうした方々は、次回開催されるときのために、ウェアを捨てずに大切にする方が増えるのではないかと思います。このWORN WEARをきっかけとして、パタゴニアが提唱するリペアの概念が、ここ福井にも広がったように感じた二日間でした。

パタゴニアの修理サービス

予約制で行った修理ですが、初日に二日分の予約が全て埋まってしまい、二日目に来た方には、お断りをしなくてはならない結果となり、大変残念な想いをさせてしまったように思います。
パタゴニアでは、WORN WEAR TOURだけではなく、普段より製品を長くご使用いただくための修理サービスを行っているそうです。こちらはパタゴニア製品のみの適応となりますが、今回のイベントではリペアができなかった方は、ぜひご相談してみてください。

パタゴニアのWORN WEARが訪れることで、注目を浴びた同イベントでしたが、多くの報道関係者にお越しいただき、イベントについてご紹介いただきました。新聞社2社、テレビラジオ局3社、雑誌1社から取材を受けました。

02Reuse & Sharing by canvasアウトドアウェア&ギアの下取り

パタゴニアのWORN WEARのすぐ隣では、福井駅前に店舗を構えるリユース&シェアリング「canvas -キャンバス-」に、アウトドアウェア&ギアの下取りを行っていただきました。

キャンバスは、スノーピークの製品などを中心に、テント・タープなどの他、テーブルやチェア、焚火台、ランタン・バーナーはもちろんクッカーや食器などのテーブルウェアやキッチンツール、アパレルまで幅広く取り扱っているショップです。

スノーピーカーでもある代表の中上さんは、最新買取相場に精通したリユース歴20年のベテランバイヤー。二日間に渡り合計101点もの商品を買取していただいたようです。

キャンバスが運営しているテントクリーニング研究所では、テントやシュラフの丸洗い、乾燥や撥水加工を行うサービスを行っております。汚れてしまったテントはオフシーズンにしっかりとクリーニングし、来シーズンも気持ちよく使えるようにメンテナンスしてみてはいかがでしょうか?

03BackPack Marcketアウトドアフリーマーケット

「いいモノを、誰かのもとへ、循環させよう。」という想いを元に、弊社のメンバーを中心に、普段からアウトドアに精通している方に声を掛けて生まれた企画です。アウトドアマニアの各自が、ガレージやタンスの中に眠っているアウトドアウェアとギアをバックパックに詰め込み、THE GATE SPORTING CLUB テラスに集合しました。

目の肥えたマニアならではの逸品が揃ったウェア&ギア。Teton Bros.やHOUDINIをはじめ、Tilakやアークテリクスといった人気ブランドの高級ウェアも数多く並びました。ほとんどが定価の半額以下の値段だったということもあり、見る見るうちに売れていきました。破格の値段でやりとりされていく様子は圧巻の一言でした。

初日と2日目で出店者や商品がガラリと変わりました。初日午後に来場した若い男性は、早々に売り切れた商品の内容や値段を知ると「しまった!もっと早く来ればよかった…明日は朝イチで並びます!」と。その言葉通り、2日目には、開始前から並び、お好みの物を数多く購入されていきました。「欲しかった物を格安ゲットできて本当に嬉しい!」と、満面の笑顔を浮かべていました。

お目当ての品物を手にした来場者だけでなく、喜んでくれたのは出品者も同様。ウェアやギアにとても詳しい方も多く、マニアック過ぎるほどの内容のギアトークが弾みました。出品者からは「月イチでBackPack Marcketをやってほしい」、「YouTubeチャンネルを作って、ギアトークを配信したい」といった嬉しい声も上がりました。

まるで新品のような商品たち。ギアを大切に使うアウトドア愛好家ならではの品揃えです。

04patagonia Movie Show環境をテーマにしたムービー上映会

環境保護をテーマにしたパタゴニアのムービー上映会。イベント初日の午後7時からショートムービー2本を流し、その後パタゴニアスタッフによる海洋漂着ごみに関するトークセッションも行いました。内容に興味を持った弊社のスタッフも多数参加し、地球規模で抱えている現在の環境問題などについて話し合いました。

『ネットプラス:パタゴニア』

100%リサイクルされた漁網から作られ、フットプリントを完全に追跡可能な帽子のつば「ネットプラス※」を開発するために、パタゴニアはブレオを支援してきました。なぜなら、海に破棄された漁網は海洋プラスチック汚染の最も有害な形のひとつだからです。
→ 動画を見る
※2020年にパタゴニア製品に初採用された「ネットプラス」は、海洋に廃棄された漁網をリサイクルしたナイロン素材。
→ 「ネットプラス」について

『The Ocean Solution(海の解決策)』

パタゴニアプロビジョンズは、持続可能な漁業や土壌改善を兼ねた農業など、地球環境に配慮して生産された、味のクオリティも高い食品事業。
→ 動画を見る

『海洋漂着ごみについて』

トークセッションでは、パタゴニアの桑原氏が個人的に関わっているという、長崎県対馬市の海洋漂着ごみについて、詳しくお話を聞きました。

イベント開催への想い

令和4年8月大雨福井県災害で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。また、復興にご尽力されている皆様には、安全に留意されご活躍されることをお祈りいたします。

また8月の炎天下の中、ご参加いただきました関係者、スタッフ、ご来場いただいたお客様に対して、改めて感謝の気持ちをお伝えできればと思います。

このイベントのきっかけは、パタゴニアさんのWorn Wear Tourの理念に共感したところから始まります。その思いに共感し、以前イベントを主催したときより温めていたアウトドア商品のフリーマーケットなど、商品を大切に使おうというテーマをより大きくアピールできないだろうか?という想いから、このイベントを立ち上げました。

新型コロナウィルスの感染拡大や、ロシアによるウクライナ侵略、そして国内の政治問題など、今社会は激動の時代を迎えています。環境問題に目を向けてみると、世界中でさまざまな問題が起こり続けています。奇しくも、このイベントを行う前々日には、記録的な豪雨が福井県を襲い、多くの被害が起こりました。

今、世界に目を向けると、環境に関する問題が政治や経済の重要なファクターへとなっています。しかしここ日本では、まだまだそのような動きが少ないのが現状です。このイベントが未来の地球のために、お役に立つきっかけになればと考えています。

アウトドアで使われるウェアやギアは耐久性が求められる商材ばかりです。この素晴らしい製品たちを、継続して使う環境を作り出すのも、アウトドアに従事するものとして当然のことかと思います。大量生産・大量消費の世の中を見つめ直し、今後このイベントをアウトドア業界から地球環境保護に対してのアクションとして、大きなムーブメントにしていければと願っております。

株式会社カンパネラ代表取締役 平岡和彦

ファイヤーバードとは?

アウトドアのウェア&ギアのリユース、リサイクル、リペアを促すイベント「FiRE BiRD ファイヤーバード」

イベント名ファイヤーバードには、アウトドアのウェアやギアを蘇らせるきっかけになればと願い、福井市市民憲章である、不死鳥フェニックスの属語からつけました。フェニックスは、死期が来ても、みずから燃える火中に入り焼かれ、その灰の中から再生する伝説の鳥です。その属語であるファイヤーバードをイベント名とし、アウトドアのウェアやギアが、ここから蘇らせるきっかけになればと願っています。

寄付について

同イベントでは、パタゴニア創設者が設立した、非営利団体1% for the Planet(ワンパーセントフォーザプラネット)の活動に賛同し、売上の一部、並びにお客様からのカンパの方を、環境活動に寄付させていただきます。

寄付先
→ 中池見ねっと(福井県敦賀市)
→ モアトゥリーズ

※1% for the Planetは、自然環境の保護に貢献することができるプロジェクトであり、パタゴニアの創設者であるイヴォン・シュイナードと、ブルー・リボン・フライズ社の創設者であるクレイグ・マシューズによって、2002年に設立されました。

またこの度の福井県豪雨災害に対しましても、弊社より寄付させていただきました。
→ 令和4年8月大雨福井県災害義援金